先進融合医学共同研究講座
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腎虚とは

現代医学における臓器概念ではなく、システム概念と理解すると分かりやすい。

漢方については、さまざまな意見や考え方があると思いますが、我々は、漢方は生体を一つのシステムとして捉えるシステム論と考えています。いわゆる、気・血・水や五臓概念などは、生体のさまざまな遺伝子やサイトカインの挙動を、身体所見や症状をもとにクラスター化していると考えると、理解しやすいと思われます。 漢方における五臓とは、「肝・心・脾・肺・腎」からなりますが、現代医学における臓器の考え方とは異なっています。図に示すように、漢方における五臓の概念は、消化器系、循環器系などのシステムを意味しています。その中でも、我々が注目しているのは腎の概念になります。
漢方における五臓概念
図1 漢方における五臓概念

腎は先天といい、 父母から受け継いだ、生まれながらの生命力を意味する。 人の一生を支配する生命力が腎の働きであり、加齢により減少していき、腎虚が生じると考えられている。

漢方における腎とは、いわゆる「kidney」ではなく、泌尿・生殖器系を意味していますが、さらに、腎は先天と呼ばれ、父母より受け継いだ生命力を意味し、ヒトの成長、発育、生殖に影響を与える生命エネルギーを「腎気」とよんでいます。腎気は、加齢により減少すると考えられています。図2に示すように、腰痛や骨粗鬆症、脱毛や白髪、難聴や耳鳴り、皮膚の乾燥・痒み、排尿障害や尿失禁、下肢の冷えやだるさなどは、腎気が虚した状態、いわゆる「腎虚」の症状と考えられています。
漢方における腎の働きと腎虚の症状
図2 漢方における腎の働きと腎虚の症状
漢方医学では、腎虚を補う方剤として、六味丸、八味地黄丸、牛車腎気丸などが用いられ、腎虚に伴う多岐にわたる症状に臨床効果を発揮することが知られています(図3)。漢方復興に尽力した大塚敬節先生は、『漢方診療30 年』に、歩行不能であった下肢麻痺の若い男性に、八味丸が、劇的に奏功した症例を書き残されています。従来の漢方の考え方では、サルコペニアなどの筋力低下は、腎虚概念に含まれていませんでしたが、我々は、サルコペニアを腎虚の一症状と考えて、認知記憶障害のモデルマウスとして知られる老化促進マウスであるSAMP8を使って、牛車腎気丸の骨格筋への薬理効果を明らかにしました。  ただし、漢方における腎虚の考え方は、老化に限定されません。「腎気」の働きが悪ければ、子供の成長の遅れにつながると考えます。また、不妊症も夫婦の腎の働きがよくないと考えます。五臓の考え方は、精神にも関わり、「腎気」の働きが悪くなると、目的を持って行動できなくなり、意志の力が弱くなると考えられます。また、無気力状態になり、この状態が長く続くと、引きこもりやパニック障害などの精神の不安定性にも関わってくることになります。さらに、腎は骨を司り、髄を生ずという考え方があります。脊髄骨の髄が、脊髄であり、頭の骨の中の脳は、髄海と呼ばれています。つまり、腎の働きは、中枢神経系にも関与していると考えられます。
牛車腎気丸の構成生薬と研究デザイン
図3 牛車腎気丸の構成生薬

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