大阪大学 消化器内科学 自主臨床研究

 
研究課題 HCV感染透析患者におけるAcoustic Radiation Force Impulse(ARFI)による肝線維化評価
実施期間 2018年3月31日まで
研究機関 大阪大学 消化器内科学および老年・腎臓内科学
主任研究者 竹原 徹郎
研究目的  透析患者さんのHCV抗体陽性率は健康人に比し有意に高率であることが明らかとなっています(Iwasa Y. Clin Exp Nephrol. 2008)。また、透析患者さんにおいてHCV抗体陽性患者さんはHCV抗体陰性患者さんに比して有意に予後不良であり(Nakayama E. J Am Soc nephrol, 2000)、5年以上の生存の見込める症例に対して抗ウイルス治療を行うことが推奨されています。非透析患者さんにおいては、ALT高値(ALT30IU/L以上)の症例は基本的に抗ウイルス療法の適応となりますが、透析患者さんのALT値は健康人に比し有意に低いと報告されており、HCV抗体陽性透析患者さんの90%以上が一般人の基準値ではALT値が正常範囲内であると報告されています(Espinosa M. Clin Nephrol, 2000)。従って、透析患者さんにおいてはALT値を含む血液検査所見と肝線維化の相関は明らかでなく、肝生検による肝線維化の評価を行う必要があるとされています(Sterling RK. Am J Gastroenterol, 1999)。また、高度線維化例では発癌の高リスク群であることが明らかになっており、治療適応を決める際にも肝生検は必須と考えられます。しかし、ALT値が正常であるHCV感染透析患者さんに対し全例に肝生検を行うことは難しく、非侵襲的な検査による肝線維化の評価が望ましいと考えられます。また、HCV感染透析患者さんの線維化進展速度や発癌率については詳細な検討はなく、その病態の解明が望まれます。また、HCV感染透析患者さんに対する抗ウイルス療法はペグインターフェロンα(Peg-IFNα)単独療法が第一選択とされてますが(日本透析医学会透析患者のC型慢性肝炎ガイドライン2010)、その詳細な治療効果については明らかではありません。また、治療介入による予後改善効果についての報告はなく、早急な検討が望まれてます。
 近年、超音波を応用したAcoustic Radiation Force Impulse(ARFI)による組織硬度測定により、肝線維化の評価が可能であることが明らかとなっています(Friedrich-Rust, Mireen. Radiology.2009)。ARFIにより非侵襲的に線維化や線維化進展速度を評価し、治療適応、治療効果予測や予後予測を行うことが可能であれば、非常に有用であると考えられます。 本研究において、観察開始時にHCV感染透析患者さん、非HCV感染透析患者さん、HCV感染非透析患者さんに対して肝生検(非HCV感染透析患者さんには行わない)、ARFIによる肝線維化評価を行い、ARFIによりHCV感染透析患者さんの線維化の評価が可能であるかについて検討します。HCV感染透析患者さんにおいても非透析患者さんと同様に、肝線維化の程度をARFIにより非侵襲的に評価することができれば、肝生検を行わずに治療の適応や予後の予測が可能となります。さらに、ALT値をマッチングして肝線維化の程度をHCV感染非透析患者さんと比較し、HCV感染透析患者さんのALT値と線維化の関連性についても検討します。 また、上記のHCV感染透析患者さん、HCV感染非透析患者さんのうちALT高値例、または肝生検でF2以上の患者さんに対して抗ウイルス療法を行い、その他の症例に対しては経過観察を行います。治療の有無に関わらず経時的にARFIによる線維化の評価、発癌の有無について調査します。無治療例の線維化進展速度(変化量、変化率)、発癌率を評価することで、HCV感染透析患者さんの自然経過の線維化進展速度や発癌率が明らかとなります。肝線維化進展、肝発癌のハイリスク群が明らかになることで、治療の必要な症例が同定できる可能性があります。 また、治療を行うHCV感染透析患者さんに対しては、Peg-IFNα単独療法を行い、著効率や著効に関わる因子について検討します。また、その線維化進展速度、発癌率を無治療経過観察群と治療群を比較することでPeg-IFNα単独療法の肝線維化抑止効果、発癌抑止効果について検討します。
対象 以下の選択基準を満たし、除外基準に抵触しない患者さんを対象とします。(予定症例数:160症例)

【選択基準】
・HCV感染透析患者さん(HCV抗体陽性、HCVRNA陽性)
・HCV感染非透析患者さん(HCV抗体陽性、HCVRNA陽性)
・非HCV感染透析患者さん(HCV抗体陰性)
【除外基準】
1)20歳未満
2)HBs抗原陽性B型肝炎ウイルス感染例
3)HIV抗体陽性ヒト免疫不全ウイルス感染例
4)他の慢性肝疾患症例(自己免疫性肝炎、アルコール性肝炎など)
5)非代償性肝硬変症例ならびに肝不全症例
6)重篤な多臓器疾患合併症例、ならびに免疫不全状態にある症例
7)重度のうつ病、その他重篤な精神疾患症例またはその既往歴のある症例
8)妊娠中、授乳中、妊娠を予定している患者さん
9)ヘモグロビン10g/dL未満
10)血小板数90,000/mm3未満
11)好中球数1500/mm3未満
12)医師、責任医師が不適と認めたもの
プライバシーの
保護
本研究ではC型慢性肝炎患者さんの治療経過を研究対象とします。 プライバシー確保のため、患者さんが特定できないようにデータを処理した上で研究解析を行います。また、研究結果を公表する際には、患者さん個人が特定されることはありません。
本研究に関する
問い合わせ先
大阪大学消化器内科学 藥師神 崇行(講師)
連絡先電話番号:大阪大学消化器内科学(06-6879-3621)

 

 

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