生理学

統合生理学

生体の電気信号の仕組みを解き明かす
  • どうやって電気信号を細胞内に伝えるのか
  • 細胞内のpHや膜電位の恒常性は、貪食細胞機能でどのような役割を果たすのか
  • 電気信号を”見”たい
  • 電位センサー分子から脊椎動物の神経系のなりたちを遡る
  • 人工網膜に向けた基礎研究
教授 岡村康司
生理学講座 統合生理学
当研究室は脳生理学教室(北澤茂教授)とともに、基幹講座である生理学講座を構成しています。第二生理学教室(1931年開設、初代:正井保良教授)を源流とします。

生体の電気信号を担う分子の仕組みを明らかにし、細胞の電気信号を計測する

神経、筋、分泌など、生命の大事な営みには、共通して電気信号が使われています。これらはイオンチャネルやトランスポーターと呼ばれる多様な膜タンパク質分子の働きによって精妙に制御されており、降圧薬や抗糖尿病薬など、重要な創薬の分子標的になっています。ニューロンや骨格筋での活動電位などではミリ秒レベルでの速いメカニズムが働いており、一方消化管の蠕動(ぜんどう)運動や血球細胞などでは、秒単位のゆっくりした電気信号が重要な役割を果たしています。このように生体システムごとに、機能に見合った電気信号が適材適所に作り出されており、こうした分子基盤は近年のゲノム科学や構造生物学の進歩とも相まって、詳しい分子レベルでの仕組みが分かりつつあります。

私たちはこれら電気信号を作り出す分子の中でも、膜電位変化を感知する電位センサーと呼ばれるタンパク質の機能に着目し、研究を行っています。

電位依存性ホスファターゼVSP(Voltage-sensing phosphatase)は、電位センサードメインと、酵素を併せ持つ、いわば酵素分子とイオンチャネル分子の「ハイブリッド型」分子です。電位センサードメインはイオンチャネルと類似の構造ですが、VSPにはイオンを通す孔構造がありません。ですので、通常の膜電位信号の場合に、一旦イオン透過が生じて膜電位が変化するイオンチャネルによる信号とは違って、VSPには膜電位応答が直接細胞内の代謝の変化を引き起こす、というユニークな性質があります。酵素領域は、がん抑制遺伝子でコードされるPTENと類似のタンパク構造を示します。膜電位が脱分極を起こすと、酵素活性が活性化して、二重脂質膜の構成成分であり細胞内シグナル分子である、イノシトールリン脂質の代謝を変化させます。

電位依存性プロトンチャネルVSOP(Voltage sensor only protein)/Hv1は、電位センサーが、膜電位感知と、プロトンの透過の二つの役割を担っています。哺乳類のゲノムでコードされる陽イオンチャネル分子としては分子量最小です。複数の相同なタンパク質が集合体を作って中央にイオン透過経路を持つ通常のイオンチャネルとは違い、一分子内にイオンを透過させる経路を持ちます(図1)。

図1

これらの電位センサードメインタンパク質の動作原理の理解を端緒として、多様な生理機能の基盤となるイオンチャネル全般の理解に繋げることを目指しています。これらタンパク質の分子機械としての動作原理を、電気生理学計測、蛍光分子を用いた構造変化の計測、タンパク質構造の解析により明らかにしています(図2)。また、個体での役割を理解するため、マウスやゼブラフィッシュなどで遺伝子改変動物を用いて血球細胞の機能や脳内ミクログリアの機能なども解析しています。

図2

さらに電位センサードメインタンパク質の動作原理を応用することで、これまでの方法では調べることが難しかった生体の電気活動を計測したり操作する技術を開発することも目指しています。人工網膜の開発、改良に向け、動物モデルを用いた基礎研究も行っています。

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