解剖学

神経機能形態学

脳はどう作られ、働くか
  • 大脳における機能統合の基盤解明
  • 細胞移動による大脳皮質構築機構の解明
  • 大脳皮質から伸びる出力路形成にかかる分子機構の解明
  • 大脳皮質の発達の解明、発達の破たんによる疾病の本態の解明
  • シナプス部位での棘(スパイン)機能制御の分子レベルでの解明と病態との関連に関する研究
教授 佐藤真
解剖学講座 神経機能形態学
当教室は百年を超える歴史を有し、大串教授(1905年開講)、富田教授、小濱教授、正井教授そして遠山教授の主宰を経て、2013年9月より佐藤が着任し現在に至っています。多くの著名な学者が学び育ち、現在も沢山の先輩が国内外で活躍しています。

脳はどう作られ、働くか~大脳皮質における脳機能統合基盤の解明と神経線維の回路形成の仕組みとその役割の解明

ヒトは脳で考え、行動します。それゆえ「脳」はヒトそのものといっても過言ではなく、その仕組みは現在でも大きな「謎」です。高等動物にのみ存在する大脳新皮質は、「知」の基盤であり、脳のなかの脳ともいえる複雑さを極めた構造物です。私たちは、脳機能の統合の仕組みを解き明かし、脳の形成・発達の仕組みを解明することで、その破綻による疾病を理解し、治療への貢献を目指して研究を行っています。

大脳皮質は「知」を担う場ですが、視覚野や運動野など数多くの領野で構成されており、その複雑さゆえ、従来の手法では、各領野間をつなぐ神経回路の仕組みを解明することは困難でした。大脳皮質では、細胞がバラバラで働くのではなく、幾つかの細胞からなる細胞集団が機能ユニットを作り、それらの相互作用により働くことが知られています。私たちは、この大脳新皮質が構築される過程に焦点を絞り、大脳皮質の各ユニットがどのように形成され、機能するかを研究しています。その一例を以下紹介します。

大脳皮質の構成細胞は、グルタミン酸を神経伝達物質とする興奮性神経細胞が約8割を占め、残りはGABAを神経伝達物質とし、形態・機能的に多様な神経細胞で構成されます。これら神経細胞は、大脳皮質の外で生まれ、皮質内へと移入し、大脳皮質を構築します。興奮性神経細胞は、大脳皮質深部にある側脳室の周囲で生まれ、法線方向へ移動し、大脳皮質を形成しますが、この脳室周囲からの移動開始の調節機構は不明でした。私たちは、脳室周囲に発現する新規分子FILIPを同定・クローニングし、FILIPがアクチン結合分子であるフィラミンの分解を促進することで細胞の移動性を低下させること、すなわち脳室周囲の細胞の移動開始は、負の制御系にてコントロールされることを世界に先駆け明らかにしました[1]。

最近では、一つのユニットから他のユニットへどのような情報を出力し、相互に働いているか、そして、情動や記憶がどのように制御されているか、また、その仕組みの破綻がどのように疾病(発達障害、精神疾患、認知症)と関わるかを探っています。

図1:大脳皮質領野間を結ぶ軸索を可視化。領野間回路を作るニューロンにGFPを発現させ、脳組織を透明化処理し、2光子顕微鏡で観察

大脳皮質から大脳皮質外(皮質下という)に伸びる神経線維の回路形成の分子レベルでの仕組みの解明にも取り組んでいます。具体的な対象として大脳皮質外の辺縁系や大脳皮質-橋-小脳にかかる回路についての研究を進めています。

図2:蛍光蛋白質を発現させ、皮質脊髄路を可視化

これは、障がいを受けた神経線維や神経機能の回復にもつながると期待されています。

【文献】

1.Nagano et al. Nature Cell Biology 4(7):495-501, 2002.

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