教授リレーエッセイ

薬理学、医学科への私の提言 細胞生物学 原田 彰宏

細胞生物学
教授 原田 彰宏

早いもので阪大に就職させて頂いてから4年目になります。以前いた大学のどの大学と比べても附属共同研究実習センターを始めとした研究環境が充実しているため、大変幸せに研究させて頂いています。自分には文才はないのですが、折角このような機会を頂いたので、自分から見て、こうするともっと薬理学、医学系研究科が少しでも良くなりそうな点を提案させて頂ければと思います。

1.分野間の垣根を低くする

当然、基礎・臨床とも各分野単独で十分レベルが高いのですが、教室間でformal, informalに情報交換する機会がもっとあれば(研究科内での定期的な研究発表会や交流会など)、研究力の更なる向上や共同研究、トランスレーショナルリサーチの促進につながるのではないかと思います。

2.学生と教員の間の垣根を低くする

見る限り、学生と教員は講義・実習でしかつながりがないようで、もったいないと思います。例えば、教員と学生が一緒に旅行するとか、飲み会を開くなどしてお互いもっと親しくなれば、お互いのニーズが分かって講義・実習がやりやすくなったり、学生が卒業後、研究室や大学の医局に戻る可能性が高くなるのではないでしょうか?

3.学生の英語学習の機会を増やす

いうまでもなく、論文の読み書き、海外での学会発表や参加の際に英語は必須です。出来れば、1、2年次からもっと役に立つ英語学習を行った方がよいのではないでしょうか?必要なら1年位海外留学してもよいとも思います。幸い大阪大学には外国語学部があるので、学習法を聞いてみるのも1つの手ではないでしょうか。優秀な学生さんが多いので、海外で活躍する卒業生がもっと増えてもよいように思います。

4.学生のやる気を上げる

大阪大学に限りませんが、講義・実習や基礎配属で見る限り、最初から意欲のない学生が多いようです。少なくとも最低限の知識は覚えて欲しいと思います。部活やアルバイトで時間を使いすぎている学生や、入試で燃え尽きた学生も少なからずいるようです。個人的には部活はほどほどにしてもらいたいですが、この辺りは他の先生方の意見もお聞きしたいところです。ただ、やる気のない学生がやる気のないまま医師や研究者になっても、大学としてのメリットはあまりないと思いますので、やる気のある人をもっと増やした方が良いのではないでしょうか?例えば、(1)学士入学者を増やす、(2)留学生を増やすという手があります。学士の人の勉学の懸命さは通常の学生以上で、卒後活躍する人が多いのもうなずけます。また、留学生が異国の日本で懸命に勉強するのを見れば、他の学生の刺激にもなると思います。留学生は将来的に日本で活躍してくれればよいですが、母国に帰ったとしてもその国とのパイプが出来るので、そこを通じてよい学生を紹介してもらったり、日本から学生、研究者、医者を送れる可能性もあるので必ずしもマイナスにはならないでしょう。

以上、好き勝手書かせて頂きましたが、リレーエッセイの執筆機会に差し出がましいようですが、いくつか御提案をさせていただきました。本薬理学、研究科がより良い薬理学、研究科となって、今後も日本の医学医療をリードされることを祈念しております。

教授 原田彰宏
解剖学講座 細胞生物学
大阪帝国大学薬理学の第三解剖学講座として1931年5月に創設。初代教授は富田朋介。以降1937年 黒津敏行、1961年 伴忠康、1980年 藤田尚男、1993年 米田悦啓の後、2009年より原田が教授を務めております。