教授リレーエッセイ

モロヘイヤの毒 神経細胞生物学 島田 昌一

神経細胞生物学
教授 島田 昌一

本来なら最も寛ぐべき休日の夕食後に、私の身にとんでもないことが おこりました。急に気分が悪くなり、それと同時に今までに経験した ことのない種類の腹痛に襲われました。苦しさに耐えながら夕食の献立を 思い起こして見ると直感的にモロヘイヤが怪しく思えたので、パソコンの google検索で、「モロヘイヤ」&「毒」で検索してみました。すると 4万件の結果がヒットしました。その内容を要約しますと、モロヘイヤの 種子にはストロファンチジンという強心配糖体が含まれており、Na+/K+-ATPaseなどの阻害作用を有するということでした。かつて アフリカの原住民はこの毒成分を矢毒として使用していたということです。 モロヘイヤの種子の致死量はブタでは0.5g/kg(種子)で、一莢に種子が 約200個(0.7g)入っているそうです(UMIN中毒データベース)。 日本では平成9年10月に長崎県の農家で、莢付きのモロヘイヤを成牛 5頭に食べさせたところ、そのうちの3頭が中毒死したという事例が ありました。これらの事実から考え合わせると相当強力な毒性のようです。

思い起こしてみるとその日の昼間に、庭でしばらく放ったらかしにして あったモロヘイヤが生い茂り花も咲いていたので、もう季節も終わり だからと妻がせっせと全部刈り取っていました。夕食の食卓に、茹でた モロヘイヤが大量に盛りつけてあったのですが、誰も食べようと しなかったので、私が何回かに分けて一気に口に運びました。いつもと違って何か刺々しい感触があったのですが、花が咲いてとうが 立っているのだろうと考え、少し気にしながらも飲み込んで食べました。

ネット検索を終えた後に、生ゴミ処理機の蓋を開けて、茹でる前の モロヘイヤを探すとモロヘイヤの茎がまだ残っていました。そして その茎の先端近くにはインターネットの画像で見た「モロヘイヤの莢」 と全く同じものがいくつも付いていました。その瞬間、モロヘイヤに 対する「疑い」が「確信」に変わりました。

幸いにも腹痛と体調不良は一晩苦しんだ後に引きました。 日本古来種の食べ物は、根に毒があるとか、内臓に毒があるとか昔からの 言い伝えがありますが、外来種となるとそういった知識に乏しいので、 十分注意しなければならないことがよく分かりました。というよりも、 「種には毒がありますので、小さなお子さんが口に入れたりしないよう、十分に気をつけましょう」という種の袋の注意書きを読まなかったため、 身体を張った高い授業料を払うことになりました。もちろん、スーパー などで売られているモロヘイヤは花が咲く前に刈り取られているので 全く安全です。

教授 島田昌一
解剖学講座 神経細胞生物学
当研究室の源流は、解剖学第一講座で、塚口利三郎初代教授から高木耕三教授、清水信夫教授、浜清教授、橋本一成教授、内山安男教授を経て現在に至っています。
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