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第399回 大阪大学臨床栄養研究会(CNC)

第399回 大阪大学臨床栄養研究会(CNC)
日時

令和元年7月8日(月)18:00〜

場所

大阪大学薬理学講義棟2階B講堂(吹田市山田丘 2-2)

テーマ

消化器疾患に対する体組成評価と予後、さらに健康寿命延伸を目指した先制医療について

講師

新潟大学大学院医歯学総合研究科 消化器内科学分野
寺井 崇二 先生

概要

 消化器臓器は、消化、吸収、代謝を制御する臓器で、栄養に密接に関連している。戦後、日本人は脂肪の摂取量の増加に伴い肥満症が増加するとともに、一方で現在は高齢化社会の進行の中で、癌、サルコペニアも大きな問題になっています。当科では、新潟県阿賀野市に消化器疾患先制医学講座を2018年に立ち上げて、その地域の疾患の特性について検討してきた。阿賀野市の今の人口分布は2040年の日本の予測人口分布と同じであり、その中での死因の1位は癌で、癌の中で消化器癌は約40%を占める。この結果は将来の日本の死因の中で癌関連死がますます増加すると考えられる。このような予測疾患の低下を目指した健康寿命延伸の対策として、肥満、加齢に伴う細胞老化、免疫老化など考えた先制医療を行うことが重要である。
 一方で“今”の消化器疾患における体組成、栄養の状況を比較検討することが重要である。今回は、食道がん内視鏡的粘膜切除術前後の栄養変化、食道アカラシアに対するPOEM治療後の体組成の変化、炎症性腸疾患における体組成の変化の特徴、脂肪肝、脂肪性肝炎、肝がんの体組成と予後の状況と肝硬変に対する栄養管理、膵臓がんのおける体組成変化と予後、慢性膵炎患者の体組成の状況など、消化器疾患全般における当科のデータを中心に講演する。現在の肝疾患については、非アルコール性脂肪肝炎が原因の肝硬変、肝がんが多くなっており、肝線維化の進展に伴い他部位の癌も増加してきている。肝疾患においては、サルコペニア対策は重要で、栄養療法だけでなく運動療法も重要である。当科では学生と“ゆめダンス”を開発し、少しずつ運動療法として啓発活動を行っている。
 臨床栄養については多方面からアプローチが必要であり、これからの消化器疾患の栄養療法について議論したい。

演者略歴: 平成2年山口大学薬理学卒業。平成9年山口大学大学院医学研究科修了、医学博士(指導教官:沖田極教授)。
平成10年アメリカ国立癌研究所客員研究員、海外派遣研究員(厚生省新対がん10ヵ年戦略、研究班長、寺田雅昭 国立がんセンター名誉総長)。平成12年山口大学薬理学先端分子応用医科学講座(生体防御機能学)寄附講座教員。平成14年山口大学薬理学先端分子応用医科学講座(消化器病態内科学)助手。平成18年山口大学大学院医学系研究科消化器病態内科学分野講師、平成22年山口大学大学院医学系研究科消化器病態内科学分野准教授、山口大学薬理学附属病院第一内科副科長、平成24年公益財団法人先端医療研究財団先端医療センター病院肝再生科部長(肝硬変再生担当)(兼任)。平成27年新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学分野教授、平成28年新潟大学医歯学総合病院光学医療診療部部長。
現所属:新潟大学大学院医歯学総合研究科 消化器内科学分野 教授
新潟大学医歯学総合病院 肝疾患相談センターセンター長、光学医療診療部部長、栄養管理部部長
◆教室URL: https://www.med.niigata-u.ac.jp/in3/

世話人:消化器内科学講座 阪森 亮太郎
E-mail: [email protected]
次回、第400回CNCは、栄養管理室 長井直子先生のお世話で、9月9日(月)に開催予定です。